晴れ舞台

 
出番が来たら胸を張ってフィールドの真ん中へ。
右膝をついて、握りを確認。
肩の力を抜く。お腹に力ををこめる。調子が悪ければ右半身だけ考える。
肩は前に出過ぎてないか?腕は真っ直ぐボールに向かっているか?
笛は聴くけど、待たない。
ただ早く、速く、倒す。
そしてその後のことは何も考えなくていい。
 
何千回、何万回とやってきたこと。
一瞬の動作の中に、沢山の決め事がある。
一瞬だけど、その一瞬でチームを勝たせることも負かすこともできる。
 
単純な動きだからこそ奥深い。
四年になってフェイスオフをもっと考えられるようになったから、一年前とは型の拘りも、見えている景色も全然違う。だいぶ勝てるようにもなった。
 
それでも今でも舟橋さんと岸さんには負けてばっかだし、他大と練習試合しても圧倒できないことばかりだ。
きっと俺より強い人たちは、自分の型にもっとすごい拘りがあるし、何段階も上の景色が見えているんだろうな。
そんな人たちでも自分はまだまだだと言うのだから、やっぱりフェイスオフは、ラクロスは奥が深い。
 
観察して、考えて、真似して、試して、前進して、後退して。
試行錯誤しながらたまに強くなったのを実感できたとき、とても楽しい。
 
これまで、そうやって考え続けた中で、俺なりにこれが強いと思うことをとにかく突き詰めて磨いてきた。
 
世界最強なんて言う自信はまだ無いけど、拘って磨いてきたものは嘘じゃないから、自分史上最強のフェイスオフが間違いなく俺の中にある。
 
リーグ戦はそれをぶつける場。
 
何千回、何万回のクランプの答えを、晴れ舞台で発揮する。
 
そしてそんな俺のフェイスオフがチームを勝たせて、FINAL4、FINALと勝ち進んで、俺の中の最強もどんどん更新されていったりして……、最後にチームも自分も見たことのない景色を見られたなら、最高だと思う。
 
4年 FO #28 副島直人
 

TOP