弱小軍団から常勝軍団へ

シーズン序盤は日本一という目標に違和感がありました。六大戦(*1)から始まってリーグ戦開幕まで何度も試合をしましたが、ほとんど勝つことができなかった。このままでは日本一なんて絶対に無理だと思っていました。ベルリン遠征(*2)では結構勝つことができましたが、それは相手のレベルが低かったから。それまでずっと負けていたのにあの弱いチームに勝っただけで「俺たちは強い」と勘違いしてしまうのは嫌でした。
そもそも今シーズンが始まる前は、特に不安はありませんでした。去年のリーグ戦の経験者も多かったので、「今年はいけるかな」と感じていました。でも、試合を積み重ね、何カ月にも渡って全く勝つことができない経験をしたことで、自分たちは勝てない集団なのではないかと不安になりました。U22に選ばれた選手もほとんどいなくて、実は東大は弱いのではないかと。
あと4年生が頼りない、と感じることもありました。行動や努力、考えまでもが空回りしているように思えたりして。ただ、そう言いつつも、その全く勝てなかった時期に、一番辛かったのはやっぱり4年生だったと思うので、勝てないことに対する不満を4年生にはなかなか言葉にできなかった。今思えば、そういうことを言いあえる信頼関係ができていなかったのは、反省すべきことかもしれません。
シーズン当初から、幹部が頑張っているのは分かっていたんですが、結果がなかなか出なかったので、幹部以外の人間は付いていきづらかったと思います。日本一という目標が現実味のないものに思えることもあったし、前が見えなくて苦しかったこともありました。それでも、とにかく努力している4年生に必死で付いていく毎日。負けが込むにつれて、練習はどんどん長くてきついものに。それにもかかわらず、やっぱり試合には全然勝てなくて。そうして段々と“狂奔”の意味が分からなくなることもありました。狂奔することによって怪我人が増え、主力を欠いた試合ではやっぱり勝てない。チームスピリットが結果につながっていないと感じざるを得ませんでした。

 

それが最近になってようやく結果に出てきました。リーグ戦は今のところ全勝で、チームが波に乗っているのを感じます。問題とされていたOFも強くなり、他大に比べても東大OFの脅威は凄まじいです。いつも一緒に練習をしていてOF陣の特徴ややりたいことを分かっているのに、守れないことが増えてきました。これまで狂奔してきた成果がやっと現れてきたのを感じます。一人ひとりが成長しているし、チームとしても形になってきている。東大はシーズン序盤の弱小軍団から常勝軍団へ。着実に良い方向に向かっていると思います。今はラクロスをしていてすごく楽しいです。勝負の世界は勝ってこそ。やっぱり試合は勝たないと楽しくないですね。

(*1 慶應義塾・東京・法政・明治・立教・早稲田の六大学の総当たり形式で行われる交流戦。)
(*2 2013年6月末に東大のAチームはドイツ・ベルリンで行われたラクロス大会ベルリンオープンに参加した。)

 

楽しむ

試合に勝てるともちろん楽しいですが、その試合で活躍できればもっと楽しいと思います。去年、リーグ戦全試合に出場させてもらって、悪いプレーはしなかったけれど、同時に良いプレーもほとんどできませんでした。全然活躍できなくて、正直面白くなかったです。今年は、1on1は100%守り切って、かつボールを奪いにいくLSMが求められています。自分自身も、去年活躍できなかった悔しさがあるので、今シーズンは能動的なDFでボールを奪おうと決めました。もともと運動量とGBと1on1では誰にも負けないと決めていたのですが、それに加えて「奪う」という要素も強化していきたいと考えたんです。今年はチェックの練習は欠かさずやっていますし、パスカットも積極的に狙っています。
あと、これは結構前から考えていたことなんですが、基本的にDFよりOFの方が絶対にやってて楽しいと思います。OFって自分でやりたいことを決めて、それを実践しようとしますよね。でも、DFは相手がしてくることに対して守る、という考えに基づいて動くことが多い。つまり、ともすれば、受動的になりがちなのがDFなんです。でも、それでは面白くない。自分で考えて、積極的に何かをしようとして初めてDFは面白くなります。
自分が試合をしていて楽しいと感じる瞬間は、相手のボールを落として、すぐにグラウンドボールを拾って走り出し、ファストブレイクを作る時です。このプレーをすると、スタンドが盛り上がりますよね。普段プレーしている時は応援の声ってあまり聞こえないんですが、自分が活躍している時は盛り上がっているのが分かるような気がします。むしろ、盛り上がらせたいです。積極的なDFは自分もやっていて楽しいし、見ている方も楽しいと思うので、どんどん奪いにいきたいです。

 

チームのトップ層として

東海戦(*3)の後、コーチが選ぶチーム内でのVPに選ばれたと伝えられました。でも、自分があの試合のVPになるのはあまり納得がいかなかった。だから、他の人を選んでもらうように頼みました。
というのもあの試合、1Qで東海の山本選手(*4)に1on1で抜かれて最初の失点に繋げてしまったんです。予想以上の力で持っていかれてしまって。確かに他のところは守ったし、チェイスやパスカットで奪いもしましたが、それでもあの1on1を抜かれたのにVPになるのには納得がいきませんでした。やっぱりLSMとして、1on1で抜かれてしまうのはありえないことですから。
去年までは、LSMといってもMFなので後ろにホットがいて、スライドがカバーしてくれました。でも、今年は少し違って、ホットはいつでも飛べるように準備はしているけれど、「室伏だから抜かれない」というチームメイトからの信頼があります。これはすごく光栄なことで、信頼に応えられるように守り切らなくてはいけない。それなのにあの時抜かれたのには、かなり衝撃を受けました。
以前、練習にいらしていたミシェルさん(*5)に「接戦の試合になればなるほど、最終的に何が勝敗を分けるかと言えば、チームのトップ層がどれだけ際どいところで頑張って活躍できるか」だと言われました。自分は2年生からリーグ戦に出ていて、そのトップ層として活躍しなくてはいけないし、きっと周囲からもそう期待されているはずなのに、特別な結果を残せなかったら悔しいです。
これからの法政戦、FINAL4そしてFINALと、どれも際どい試合になると思います。勝敗を分けるのは、ここぞという場面でどれだけ頑張れるか。そんな輝かしい舞台で活躍して、チームを勝利に導くのは自分。チーム全員、一人一人がそう思っていれば絶対に勝てる。自分が活躍してもちろん勝ちます。

(*3 2013年度リーグ戦第3戦vs東海大学。18-4で勝利。)
(*4 東海大学#4山本真司選手。)
(*5 23期宮澤修一。2010年度幹部、2011年度ヘッドコーチ。)

 

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