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最良の選択肢

1年生の時って、素直に応援出来る。「先輩すげーな、かっこいいな」って。でも2年になって、自分がBチームでうまく行かずにもがいてる中、同期がAチームで試合に出始めたら、全然応援出来なくなった。同期が活躍すると、すごくもやもやしたし、「あいつは試合出てるのに、自分はBチームで、まじかっこ悪いな。」って思ったら、全然応援できなくて。五月祭試合の後、試合に出てた同期が勝ってすごく楽しそうにしていて、むかつく反面、いいなーって羨みながらそれを見てたのを覚えてる。リーグ戦の時なんて、いつも早く終われって思ってた。同期が点を決めても全然嬉しくなかった。負けず嫌いが行き過ぎて、同期が試合に出てるのを見ているのが辛くて、応援なんか出来なかった。

3年になってATに転向してからは、Aチームに上がって、試合にも出られるようになったけど、自信も実力もなかったから、心のどこかでずっと劣等感を覚えていた。「自分よりもいい選択肢があるんじゃないか。」、「自分じゃなくて他の誰かが行った方が勝てるかもしれない。」そういう気持ちを押し殺して、自分で勝負しろよって言い聞かせてやろうとするけど、やっぱりダメだった。3年生の時は特に、正木さん(※1)や出戸さん(※2)が行った方が絶対うまくいくし、勝てるって思ってたから、全然自分でゴールに向かえなくて、ずっと無難なプレーしかできなかった。試合中はそれでもなんとなくラクロスしている気になるけど、終わってみて、何もしてない自分に気づいてすごく後悔した。俺なんでラクロスやってんだろうって。

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転機は今年の一橋戦だった。前半は東大がポゼッションしてたけど、なかなか点が取れないまま、雷で一時中断。この後点を取られたらやばい、何としても先制したいって思った。中断が開ける前から、次は絶対1on1をかけよう、絶対俺が点を取って流れを作ってやるって心に決めて臨んだ。再開後、裏でボールをもらって1on1かけて、半ば無理矢理シュートを打って、先制した。その時「ああ、大事なのは覚悟なんだ。」って実感した。

4年生になったら誰しもある程度実力はつくし、試合の流れを変える力は実は多くの人が持ってるはず。でも、実際にその力を発揮してチームに流れを持ってこられる奴になれるかは、自分が最良の選択肢だと心の底から思えるか、その上でチームの命運を自分が背負う覚悟を作ってフィールドに立てるかにかかってる。練習して、確かな実力をつけることも大事だけど、それ以上に試合に臨む覚悟をしっかり作って、いざとなった時に「俺が絶対決めてやる。」って心の底から信じられる人が、過去にゲームの流れを変えて、チームを勝たせてきた人だ。俺は今、チームの想いを全部背負うべき位置にいるし、客観的にそう思えるようになったからこそ、自分で勝負にいける。

(※1 26期正木勝也。2013年度RIDE長。)

(※2 26期出戸康貴。2013年度OF長。)

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学生王者

去年のFINAL4、俺は何も出来ずに終わった。悔しかったけど、完敗だった。4Qのベンチの重苦しい雰囲気は今も忘れない。東大は早稲田の勢いにどんどん飲み込まれていった。そこが東大の弱点だって痛感した。東大には勝者の精神がなかったというか、試合で勢いに乗るのが下手だったと思う。

俺は主将でもないし、シーズン当初は幹部でもなかったけど、そこを変えないと勝てないと思ったから、今年、誰よりも「勝つ勢いを作ること」にこだわってきた。実力も大事だけど、チームの勢いが結果を左右するのが学生スポーツだと思う。苦しい時に流れを持ってこられるチームを作るためにどうしたらいいかって色んな人と話して試行錯誤して、誰よりも声を出してきた。

そうして迎えた今年の開幕戦、アップからすごく雰囲気が良かった。皆全力で声を出してるし、一人ひとりが士気を高めようとしてた。そうやってチームみんなで作った勢いを感じて、今日はいける、そう信じられた。今年、主体性を持ってチームを盛り上げようとする人は確実に増えたと思う。盛り上げろって言われて行動するのは意味がない。いざ追い込まれた時どういう声を出すか、どういう行動をするかは、言われたことしかやらない奴には考えられないと思うから。普段からどうすればチームに勢いがつくかを考え続けて、周りに問い続けてきたことの成果が表れ始めたのが開幕戦だった。

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今、FINAL4を目の前にして、正直勝てるのかって不安に思う気持ちはゼロじゃないし、引退したくないっていう弱い気持ちもある。でも練習してると、自分の実力がまだ伸びているのがわかるし、まだまだ上手くなれる。チームのOFも2年生の品川(※3)とか恩田(※4)が上手くなってきてて、FINAL4はもちろん、これから先もっともっといいOFが出来るはず。毎朝6on6をやって、都外川(※5)や頓所(※6)や皆とOFについて言い合って、反省して、明日はもっとこうしようって考えながら一日を過ごす。そんな毎日をあと1ヶ月ちょっと続けて、最高のOFを作りたい。

それに何より、俺は日本一になりたくて、ラクロス部に入った。でも現実はそう上手くはいかなくて、無意識のうちに、目線はどんどん下がっていった。努力しても全く結果が出なくて辛かった2年の時は、部活をやめたいと思った事さえあったし、3年生のときはリーグ戦に出て自分が点を取ることだけを考えていた。でも4年になってリーグ戦に出るのが当たり前になった時にふと思った。「あれ、俺リーグ戦に出るのが目標だったっけ。」って。違う。ただ4年間を楽しむだけなら運動部になんて入らずに、他にもっと楽な選択肢があったはず。

じゃあどうすれば4年間部活やってよかったって思えるか。それは入部した時の目標を達成された時だけだと思う。自分がチーム引っ張って、4年間一緒にやってきた仲間と学生王者になる。そしたら、これ以上の選択肢はなかったなって思える。入部動機って4年間のうちに、色々な困難があると忘れがちだけど、今年は節目節目で思い出して、自分を奮い立たせてきた。

FINAL4当日、試合に出られない奴は、それぞれやり切れない想いを抱えつつも、フィールドの選手を応援するだろう。同期が活躍しているのに、試合に出てない自分が不甲斐なくて、素直に応援出来ない奴もいるだろう。俺もそうだった。でもそれでいいんじゃないかなって思う。ただ、そこで黙るんじゃなくて、悔しい気持ちをのせて、叫んでほしい。何やってんだ、しっかりやれよって。その方がエネルギーは大きいし、チームの勢いになる。そして、その時感じた気持ちを忘れずに、頑張り続けてほしい。

俺達は、FINAL4なんかでつまずくわけにはいかない。俺が先制点を取るし、やばくなったら俺がボールを持って行くし、俺が絶対に点を取って流れを変えてみせる。そうでなきゃ、俺が4年間ラクロスやってきた意味はない。俺がこのチームを学生王者にする。

(※3 29期(2年)MF#31品川康宜。)

(※4 29期(2年)MF#95恩田将維。)

(※5 27期(4年)MF#69都外川識志。2014年度主将。)

(※6 27期(4年)AT#33頓所史章。2014年度OF長。)

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