DF全体を考えるようになって

今年DF長(*1)としてDF全体を考えなきゃいけなくなって、俺が1プレイヤーとして自分のことだけに集中することは難しくなった。DFに関しては俺が全部決めなきゃいけないから、プレー中に孤独を感じることも多くなった。俺が決めなきゃいけない、でも、何を決めたらいいのかわからない。誰にも相談できない、でも、決めないと周りが動かないからとりあえず決めなきゃいけないって。去年までDFをずっと見てくれていた圭佑さん(*2)や上級生もいなくなって、4年になって初めて頼れるものがなくなった。

毎日グラウンドに来てくれるコーチがいなくなった(*3)という変化は大きい。全てを自分たちで考えなきゃいけないし、下級生や試合に出られるか出られないかの狭間の選手も、今年は幹部が見なきゃいけない。自分が上手くなりたいことと、チームとして上手くならなきゃいけないことがずれたら、チームの課題を優先させなきゃいけない。でも、俺は器用じゃないから、全体を見ながら俺は自分の上手くなりたいポイントも意識するっていうのは難しいし、「今日はこれを改善しよう」と思って練習に入るのに、そこまで意識が回らなくてあまり改善できないってこともある。俺が上手くならないと結局チームも上手くならないんじゃないかと思うからこそ、自分のことに集中したいとも思うし、自分が上手くなってない時はもどかしい。でも、だからコーチがいた方が良かったかっていうと、必ずしもそうではない。コーチがいたら負担は絶対減ったんだろうなと思うけど、一層自分のことしか考えなくなっていたんじゃないかと思うから。チーム全体を考えながら、チームのテーマの中でどう自分が上手くなるか。それを考えて、できるようにならなきゃいけない。

(*1 金山は2016年度BLUE BULLETSにおいて、副将とDF長を兼任している。)

(*2 22期中谷圭佑。2014年度,2015年度DFコーチ。)

(*3 2016年度はコーチが来るのは基本的に、土日だけになった。)

俺のあり方が否定された日

3年になって、周りから「1年の頃と比べて暖は変わった」と言われることが増えた。1年の頃の俺は、キツイ言い方をして、意見の違いに対してその違いを分かりつつも「俺が正しいし、他人の意見は聞かない」と、自分の意見を押し付けようとしてた時期もあった。あすなろ(*4)の主将決めは、そんな俺にとって大きな出来事だった。

春合宿前くらいにあすなろの主将決めをすることになった。他の誰も動き出さないから、俺がきゃにーさん(*5)と、練習の頻度や正規練との兼ね合いなどを話して、主将の立候補者も募った。当時俺は怪我をしていて、正直あすなろに間に合うかもわからない状態だったから、自分が主将に立候補するかは悩んだ。それでも春合宿中に、うでぃさん(*6)から「立候補しなかったら後悔残るし、ここまでやってんだったら立候補したほうが良いんじゃん」と言われ、立候補を決めた。俺の中では、同期最後の大会だしあすなろを良いものにしたいと考えていて、そもそもここまで誰も動かなかったし、俺が主将をやるしかないんだと信じていた。

主将決めは、立候補者が所信表明をして、他の同期が理由を言って投票する形式だった。立候補者は堀(*7)、森内(*8)、俺。俺は所信表明で、「俺は怪我で出られるかわからない」と言った。それに対する同期の答えは、「怪我をしている暖じゃなくて、主将はやっぱり試合に出られる人が良い」という意見だった。そして、結局主将は堀になった。正直「その理由で否定するんだったら、ここまで仕切らせんなよ」って思ったし、俺が怪我をしていて、それでも立候補した思いは伝わってなかったんだなと思ったし、それまで自分の意見が正しいと思っていた俺にとっては、そのあり方が否定される一つの機会だった。もちろん、ラクロスは好きで、ここで辞めるとラクロスできないから、部活を辞める選択肢はなかったけど、練習には行きたくなかったし、家に帰ってから泣いた。結局あすなろには復帰して出られたけど、何の思い入れもなく終わった。

(*4 毎年5月に行われる2年生を対象とした新人戦。同期だけで戦う最後の公式戦になる。)

(*5 26期金井健太郎。2013年度主将。29期のあすなろコーチ。金山は金井から背番号45を受け継いだ。)

(*6 27期鈴木貴大。2016年度日本代表。)

(*7 29期(4年)LG#6堀友洋。)

(*8 29期(4年)G#77森内宏樹。)

俺だからできる副将とは

あすなろや同期ミーティングで、周りから「お前は言い方を考えろ」と言われたり、自分を否定される機会を経たりして、他の奴の気持ちを考えて言葉を掛けたり、気を遣おうとか思ったりするようになった。一方、品川(*9)は練習中も試合中もかなり厳しいことを周りに言う。でも俺は、品川に俺と同じように変わってほしいとは思わない。品川はそのままやったらいいし、それで上手くいかない部分があれば、俺が上手くサポートしたらいいと思っている。俺は高校の部活でもキャプテンじゃなかったし、人の上に立つタイプじゃないんじゃないかと思うことはある。どちらかと言えば、言われたことを忠実にやるタイプで、同期に思い入れがすごくあるわけでもない。それは品川と違うところかもしれない。あいつの根本には同期、幹部に頑張って欲しいというのがあると思う。だからこそ、最終的には俺と品川で話し合って主将を決めたけど(*10)、みんなに考えて決めてもらったとしても、主将は品川になっただろうなと思う。品川があんなに厳しく言ってもみんなが品川についていくのは、品川の同期に対する想いが伝わっているからじゃないかな。みんなが変わってほしいと思う方向に俺は変わったわけだけど、それでも少なくとも同期は品川についていくんじゃないかと思う。極端なことを言えば、例え、俺がどんなに上手かったとしても、俺と品川どっちかが辞めるってなったら、同期は品川についていくんだろうなって思うこともある。一年生のころの俺は、品川のようなタイプになろうとして、でもなれないってどっかで気づいて諦めたのかもしれない。それがあすなろ主将決めの時だったのかも。

じゃあ俺は、副将としてどういう風に振る舞っていくのか。それを考えたのは鹿島(*11)だった。鹿島はチームが分かれていて、そのメンバーの力で勝たなきゃいけない。下級生や他のLGに一方的に俺が言うだけだと委縮するし、怒ったところですぐに改善しない。それよりは、もっと気持ちよく、伸び伸びプレーさせてあげられるように持ってかなきゃいけない。先を見据えたときに、チームが伸びるのは品川みたいに厳しく言っていくやり方。でも、試合のその場で現状ある戦力でその力を最大限引き出すために、伸び伸びプレーできるように持ってくのは俺の方が得意なんじゃないかと思う。品川が厳しいからこそ、俺が伸び伸びプレーさせる意識を持つことが、チームには必要だと思う。

(*9 29期(4年)MF#31品川康宜。2016年度主将。)

(*10 2016年度の主将は、品川と金山が立候補し、最終的には二人の話し合いで、品川が主将、金山が副将に決まった。)

(*11 鹿島遠征。東大からは実力均等分けの3チーム体制で出場。金山の率いるチームが優勝した。)

高い理想を持ち続ける

今年はチーム内の競争が少ないし、あってもリーグ戦に出られるか出られないかみたいなかなり低レベルなところで行われている。このままでは、チーム全体として目線が下がってしまうし、上手くなれない。この状況を打開するには、もっと上手い人とプレーする機会を持って、チーム全体が目線をあげなきゃいけない。理想のプレイヤーにしたって、もっともっと高い理想をもたないと上手くなれない。今のチームの状況だと俺が理想みたいになっちゃうけど、それじゃ勝てない俺自身まだまだだし、俺を目標にしないでもっと上を目指してもらわないと今年のチームは勝てないと思う。

俺自身には理想のプレイヤーとか、特定のライバルはいない。その代わり、とにかくいろんな人に負けたくないと思っている。他のチームのATにやられたくないし、他のチームのLGより下手とか思われたくない。理想のプレイヤーも誰か一人を手本にするのではなく、いろんな人の良いところを学びたい。「これが俺の武器だ」みたいのがある人もいるけど、俺の理想像は全部が上手い人。だからこそ、まだまだ自分が上手くなるポイントは沢山あると思っている。

俺が支える

上級生になって、俺は自分の弱みに気づくようになった。それは良い変化だと思うけど、その弱みを受け入れられるようにならなきゃいけない。今はまだ、プレー中も相手にどんなプレイヤーだと思われてるんだろうとか、周りの目を気にしてしまう。それに俺はDFを引っ張らなきゃいけない立場だし、もちろん後輩の理想となるようなプレーをしなきゃいけないと思うから、ミスを気にしてしまう。でも、「それもひっくるめて俺はそういう存在なんだ、誰にどう思われても良い」と受け入れて試合には臨みたい。すごい点差がついたり勝敗関係がなくなったりすれば当然ミスもあまり気にならなくなるけど、そうじゃなくて、勝敗に関わる責任が自分にある状態で、チームが勝てるようにしなきゃいけない。自分がどう思われてもチームが勝てればいい。

俺が全部カバーするから、お前たちは思いっきりやれってDFを支えながら、その上で、自分も最高の活躍をしたい。俺が抜かれたら負けるし、俺の気持ちが折れちゃったらダメだから、最後まで踏ん張れる人になりたい。ミスが気になることだってあるだろうけど、そんなの関係なく、本当に自分のやりたいラクロスをしたい。

 

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