≪関東学生ラクロスリーグ戦 1部Bブロック 第3戦≫

東京大学 vs 東京理科大学

9月20日(日) @東京理科大学 野田グラウンド 12時20分 FACE OFF

※グラウンドの詳細はこちら


 1Q  2Q  3Q  4Q TOTAL
東京大学/ HOME   1   2   1   1   5
東京理科大学/ AWAY   2   1   1   2   6

得点者:
#9 茂木 努 [MF] 1
#11 樋浦 直樹 [AT] 1
#32 高橋 大介 [AT] 1
#51 伊東 大地 [MF] 1
#54 上野 裕人 [MF] 1

相手は、東京理科大学。実際東大が戦う前に、試合が1試合しかなく理科大の情報は、今までの対戦校と違い、圧倒的に少ない。そうはいっても負けられない試合であることは間違いない。東京理科大学のホーム、野田グラウンドで戦いの火蓋は切っておとされた。


1Q
パスミス、キャッチミスの連続で、落ち着かないスタートを切った東大であったが、理科大のプレッシャーの強いDFに対して、攻めあぐねてしまい結果的にポゼッションを失ってしまう。ライドで奪い返すものの、理科大のDFの前にうまく攻めきれない。 理科大のファールで、東大はEMOとなるも点には結び付けずに終わる。 しかしその直後、3年#51伊東が1on1からのランシューを決めて、東大が先取点を上げた。1−0. しかし、東大は波に乗れない。パスミスは依然として目立ち、攻撃が安定しない。 追加点を上げられないまま、東大がスラッシングの反則でMDDとなり、逆に失点のピンチになってしまう。 4年G#52斎藤の好セーブもあって、MDDを切り抜けたものの、MDD解除直後、パスカットしたボールをゴール前で理科大のアタックに拾われてそのままシュートを決められてしまい1−1の同点とされてしまう。 その後も、GBで崩れたDFの隙をつかれ、相手#31にランシューを決められてしまい、 1−2と理科大にリードを許してしまう。 攻めきれないまま第1Qが終了。 東大としては、思わぬ立ち上がりとなった。


2Q
まずは同点に追いつきたい東大であったが、パスミスやシュートをキャッチセーブされてしまったことにより、なかなかポゼッションを保ち続けることができない。 一方、理科大は東大のライドのプレッシャーをかわし、ハーフからロングショットを打ち、ゴーリーがいないゴールにシュートを決めるというスーパープレー。 得点は、1−3と2点開いてしまった。 その後も、東大はクリースヴァイオレーションでMDDとなるも相手のミスで切り抜ける。 その後、3年MF#9茂木の1on1からのシュートと、4年AT#32高橋の、裏からの1on1からの振り返りざまのシュートで、3−3とし、ようやく同点となった。 勝ち越して前半を終えたい東大だが、ファールがかさみ、MDDが続く。一時は、1on0状態まで、持ち込まれるも#52斎藤のスーパーセーブで何とか切り抜けた。 逆に、相手のスラッシングによってEMOとなりチャンスとなるも、生かせず、再びミスからブレークを作られて、失点のピンチとなる。 またしても、そのピンチを救ったのは#52斉藤であった。一本目のシュートをはじき、それを拾った相手がインクリだったことにも助けられ、危機を脱する。 結局同点のまま第2Qが終了し、3−3で折り返すことになった。


3Q
第3Q開始3分。東大のショットミスによるターンオーバーから、相手の攻撃となり、クリースにカットインしてきた理科大#2に、フィードが入りシュートを決められ、3−4とされてしまう。その後も、東大はしばらく点が入らない。 ライドで奪い返す場合もあったが、プレッシャーをかけられてボールを落とされたり、パスミスでポゼッションを奪われるシーンがいまだ目立つ。 ウォーターブレークタイムアウト直後、2年MF#54上野が、ダッジからの右ランシューで決めてスコア。4−4でようやく同点に追いついた。 その後、相手のイリプロで、東大はEMOとなり、勝ち越しのチャンスを得る。 しかし、#54上野のシュートが、結局TOとなり、チャンスを生かせない。 続いて、相手のインターフェアランスで、ふたたびEMOとなるも、今度はパスミスでチャンスを失ってしまう。 さらに、相手のホールディングで、みたびEMOとなる。 #54上野のスタンシューがゴーリーにはじかれ、4年MF#36山脇の強烈なスタンシューもはじかれ、#11樋浦のシュートもポストに阻まれ、さらにそのこぼれ球を再び樋浦が拾ってシュートするも枠外に外れ、無情なまでに得点に結びつかない。 相手のインターフェアランスによる、4度目のEMOもパスミスでTOとなってしまう。 第3Q終了間際、クリアミスからのリスタートで崩され、シュートを打たれて危うく失点しそうだったところで第3Q終了。4−4.同点のまま、第4Qに移ることになった。


4Q
スラッシングでいきなりのピンチに陥る東大であったが、相手がショット時に落としたボールを、3年DF#31山下がスクープし、自ら走ってクリアしてブレークを作りだす。 ゴール右前の#32高橋にパスを出したが、高橋が決めきれず、得点チャンスをものにできない。 その後は、東大の攻撃が続くが、追加点を決めることができない。 ニュートラル時に激しいボールの奪い合いが続く中、理科大の選手は次々と怪我で負傷退場していく。 得点チャンスはないわけではなかったが、相手ゴーリーの好セーブに阻まれる。 東大が追加点を上げられないのを尻目に、理科大はEMOできっちり点を取ってくる。 残り時間が徐々に少なくなってくる。 4−5.1点差。 遠かった一点だったが、意外なところからからチャンスは訪れた。 相手のアンスポーツマンライクコンダクトによって、1分間のEMOとなる。 4年AT#7渡慶次が執拗なプレッシャーから通したフィードを#11が執念で決めて、同点。 5−5. 試合の行方は再びわからなくなった。 しかし、その直後、理科大に1on1シュートを決められ、5−6とされる。 この1点が重くのしかかる。 残り時間は2〜3分。 まだ分からない。 次々と足をつって退場してまで、一点を必死に死守する理科大メンツ。 追いつくために積極的にシュートを狙いに行く東大メンツ。 ホイッスルがフィールドに響き渡った。 歓喜に酔いしれる理科大。 呆然とする東大。 最後まで1点が遠かった。 結果は、5−6.ロースコアゲームを理科大に制され、東大は1点に泣いた。

後々考えてみるに、ここで理科大に負けたことは、必ずしもマイナスではないだろう。 今までのごまかしてきた部分がくずれ、自分たちの現状を思い知らされたことで、再び、真に東大のやりたいラクロスを追及していけるのだから。 崖っぷちの東大が、ここから這い上がる。

#51 伊東大地(Daichi Ito)

練習の虫。技術の向上を目指して考え、聞き、そしてそれを行動に移せる選手。ずば抜けた練習量からくるプレーの安定感と他の選手からの信頼を武器を持ち、ここ数試合では得点力もついたところを見せてくれた。 時折垣間見られるエキゾチックなんとも不思議な言動も含め、今や東大に欠かせないムードメーカーとなっている。  



#10 小橋啓史(Yoshifumi Kobashi)

試合中どんなに劣勢に立されようとも、仲間を信頼し、鼓舞し、自らもできる限りのパフォーマンスを発揮することができる。遥かな目標を見据え、一歩ずつ必死に歩んできた選手だからこそ平然とできることなのだろう。 FOにおいていかに安定して勝ち続け、東大にポゼッションをもたらすか。今後彼が果たす役割は大きい。




written by Shuhei Umemura