≪2010 ルネッサンス・オープン 決勝戦≫

東京大学A vs 一橋大学α

6月26日(土) @大井第二球技場 17時30分 FACE OFF


 1Q  2Q  3Q  4Q  1P  2P TOTAL
東京大学A/ HOME   1   1   0   2   0   1  5
一橋大学α/ AWAY   1   2   0   1   0   0  4

得点者:
#4 牧野 賢 [MF] 2
#30 原 誠宏 [AT] 3

5月に開かれたルネッサンス・オープン予選の第1タームに東大はAチームとBチームを出し、Aチームがターム優勝を果たした。 前週6月19日に行われた準決勝戦では2、3年生が主力で出た早稲田大学に快勝した。そして決勝戦。勝てば東大は久しく手にしていなかったタイトルをとることができる。 相手は奇しくも昨年度のルネッサンス・オープン決勝戦で東大が敗れてしまった一橋大学。今年は、勝つ!


1Q
始まってすぐのFOはイリーガルプロシージャーを取られ、一橋ボールとなった。正確にパスを回しては1on1をかける一橋OF陣。 東大にボールを落とす隙を与えない。数回チャンスを得てDFコートからクリアを試みるけれど、オフサイドにパスミスにとミスを連発し、OFコートまで運べない。 そのまま一橋にクリースシュートを許してしまった。東大が1本もシュートを打てずに先制点を取られ、焦りが生じ始めていた。続くFOも一橋に取られてしまう。 一橋のスラッシングにより東大は1分間のEMOとなるが、パスミスにより瞬く間にターンオーバー。東大LGのパスカットでなんとかOFコートにボールを戻し、 ゴール横から4年AT#30原がボールを押し込んだ。スコアは1-1の同点になる。そのまま1Qを終えた。しかし、試合の流れは明らかに一橋側にあった。


2Q
2Qの始まりも良くなかった。ウィングMFの配置が遅れてディレイを取られ、一橋ボールとなった。しかしここで思わぬチャンスが訪れた。 東大のOF中に一橋がクロスチェッキングを取られ、東大は1分間のEMOとなった。しかもファウルを取られた選手は一橋のゴーリーだった。 一橋は急遽DFの選手をゴーリーとして投入することに。これ以上はないという絶好のチャンスに、3年MF#4牧野がきっちりスタンシューを決めた。 得点後のFOもこの試合で初めて勝ち東大に流れが来たかと思われたが、数分後には一橋のATがシュートを決めた。再び同点。さらに一橋のクリースシュートが決まってしまった。 一橋は失点をものともせず、流れを巻き返したのだった。スコアは2-3。東大が1点ビハインドのまま前半戦を終えた。


3Q
3Q開始のFOも東大が取ったが、ファウルにより流れが絶たれた。続く一橋OFもワーディンフ・オフにより東大ボールになった。 両者落ち着いたOFができず、ターンオーバーが続いた。3Q後半、東大は2回MDDとなったがなんとかしのいだ。試合の流れは少しずつ変わり始めている。 目まぐるしくターンオーバーを繰り返し、一橋のスローペースな流れではなくなっていた。しかし、依然として東大のペースにもってくることもできなかった。 結局3Qでは両者1点も得点を許さず、スコアは2-3のまま終わった。勝つためには、残り15分で2点取ることが必須となった。


4Q
序盤は一橋OFから始まったが、一橋のシュートで東大がチェイスをとった。そこからのOFで#30原が2得点目を決めた。3-3、同点に追いついた。 さらに、#4牧野がDFコートからクリアを成功させるだけでなく、そのままランシューを決めた。#4牧野もこの試合で2得点目である。4-3、ようやくリードすることができた。 それから10分間、東大一橋ともにゴールを守りきり、ラスト1分を切った。緊張感が高まる中、そのまま東大が勝つかと思われた。しかし信じられないことが起こる。 クリア中の一橋LGがOFコートに上がり、正面からシュートを決めたのだった。4-4、同点。残り時間、27秒。「ここで決めて優勝しよう」とベンチは盛り上がる。 FOは東大が取って2本シュートを打った。けれど決まらなかった。勝敗はサドンビクトリーに持ちこされた。



サドンビクトリー
サドンビクトリーは4分×4ピリオド行われる。先にシュートを決めた方が勝つという単純明快なルールだ。
第1ピリオド、それまでの試合展開と似てターンオーバーが多い。そんな中東大が30秒のMDDとなり早速ピンチを迎えたが、守りきった。 1ピリオドの最後、クリアからクリースシュートのラインを作り出したが、惜しくも枠外。
第2ピリオド開始直後、東大のOF中に一橋がスラッシングを取られた。1分間のEMO、またとないチャンスである。 東大は左前からスタンシューを打つもゴーリーがはじいた。それを#30原が誰よりも早く見つけてすかさず拾い、ゴールにねじ込んだ。この瞬間東大の勝利が決まった。
2010年度ルネッサンス・オープンは、接戦の末、東大の優勝で幕を閉じた。



MVP
#30 原誠宏(Masahiro Hara/4年AT)

HCの飯塚です。
先日行われたルネッサンスオープン決勝は、2010BlueBulletsの初タイトルをかけた戦いでした。 相手は、昨年の学生王者一橋。
その中で、劇的なビクトリーゴールを決めたのが、はらまさ(4年AT #30)です。

一橋が、スローペースのポゼッションラクロスをするなか、東大の武器であるライドやブレイクでチャンスを作ることができず、 またsetOFにおいてもチャンスはつくるものの決めきることができない厳しい試合展開が続きました。 そんな苦しいチャンスの中、はらまさが1on1からの左カムで流れを引き寄せてきました。 さらに、4Qを引き分けた状態で迎えた延長戦、エキストラでのシュートのこぼれ球に対していち早く反応し、ゴールを押し込みました。

この試合、一番の集中力と武器を発揮してくれ非常に頼もしい存在です。尖った武器を持つATの中で、OFをうまくコントロールしつつ、 ゴールへの脅威を持ち続けるはらまさの存在は今後の戦いの中で非常に大事になってくるでしょう。ぜひ注目してみてください。


VP
#44 松下侑介(Yusuke Matsushita/3年DF)

3年にして副将。
次のプレーへの予測に優れ、チェイスにクリアとひたむきに走り回る。不得手だったフィジカル面やオンボールも鍛錬を重ね、今年はDFの中心選手になった。 ミスの後や厳しい指摘にもへこたれないポジティブな精神の持ち主で、通称「生粋のムードメーカー」。
プレー外でも真摯な姿勢で何事にも取り組んで存在感を示していって欲しい。


written by Sen Chang