≪あすなろカップ≫

5月3、4日(木、金) @江戸川区葛西臨海球技場






大会一日目 5月3日(木)

第一試合 vs獨協・日大

 1Q  2Q  TOTAL
東京大学 /away   1   4   5
獨協・日大/home   0   1   1

得点者:
#5 西尾 悠吾 [AT] 2
#33 頓所 史章 [AT] 2
#69 都外川 識志 [MF] 1

  東大の一戦目は大雨の中の開幕試合となった。開始後しばらくは双方ミスが続き、ボールを落ち着かせることができない。そんな中先に落ち着いた東大は、#33頓所の裏からの1on1で先制点を奪う。それからしばらくは相手OFとなったが、一度ボールを奪い返すと相手にクリアを許さずにOFが続く。追加点を挙げることはできなかったが、焦る相手のBreakOFからチェイスを奪ったところでホイッスルが鳴った。
 後半始めのFOに勝った東大。キャプテン#9小田切がランシューを放つと弾かれたボールを#5西尾がゴールへ押し込む。いきなりの追加点で勢いに乗ると、次ぐFOでは拾われたボールをあっさり奪い返し、再び#9小田切のフィードから#5西尾がクリースシュートを決め、3-0と突き放した。さらにとOFを続けるがパスミスから反撃をゆるし、相手が潰されながら打ったシュートが入ってしまう。しかし流れは東大に傾いていた。GB中に得たEMOで#69都外川が追加点を決め、再び3点差とする。その後MDDから始まる相手のシュート連打も入らず、#33頓所がダメ押しの5点目を決める。さらにはこの時のフラッグダウンから、Q終了でノースコアとなったものの#16今林がゴールを決めた。
1試合目は5-1と東大の圧勝で終わった。


第二試合 vs明治大学

 1Q  2Q  TOTAL
東京大学 /home   2   1   3
明治大学/away   0   1   1

得点者:
#4 室井 啓介 [MF] 1
#33 頓所 史章 [AT] 1
#69 都外川 識志 [MF] 1

《試合概要》
 雨は止まないまま、予選リーグ第二戦が始まった。相手は明治大学。決勝トーナメントに進出し、優勝を目指す27期にとって、決して負けることは許されない試合である。
 東大のOFから始まった1Q。積極的にゴールへ向かい、ショットを重ねるもなかなか得点に結びつかない。しかし開始7分後、クリアからのセットOFで#69MF都外川が1on1ランシューを決めきり先制。その直後に#4MF室井の鋭いスタンシューがゴールに刺さり、スコアを2-0とする。一時明治の攻撃を許すも堅く守りきり、#14G鈴木のグッドセーブで前半を終えた。
 2Q前半、東大のOFで始まるも、パスミスが目立ち、流れは明治に傾く。東大のオフサイドにより、明治にフリーシュートの機会を与えてしまい、スコア2-1。ここからが今試合の山場であった。相手のOFが続き、失点こそしないもののチェイスやグランドボールへの寄りが甘く、明治からボールを奪い返せない。ベンチにも緊張感が張りつめる。だが、長いDFを踏ん張りきり、状況を打開したのは#72LG廣瀬。相手のボールダウンからすかさずボールを奪い、クリアに成功する。2Q開始8分後、#33AT頓所が左からカムをねじ込み、ようやく東大の得点。スコアを3-1とし、そのまま試合終了。これによって予選リーグ全勝となり、東大の決勝トーナメント進出が決まった。チームに安堵の空気が流れた。しかしそれもつかの間、気持ちはすぐに翌日の決勝トーナメントに向いていた。一人ひとりが最高の準備をして、翌日の決戦に備えたい。
(記事:臼井杏美)





大会二日目 5月4日(金)

準々決勝 vs帝京・駒沢・農大

 1Q  2Q  TOTAL
東京大学 /away   1   1   2
帝京・駒沢・農大/home   1   0   1

得点者:
#16 今林 淳 [AT] 2

 二日目。東大の準々決勝はまたも雨の中の試合となった。最初のFOに勝った東大はコンスタントにシュートを放つ。時折ボールを落としながらも激しいライドでDFコートにボールを寄せ付けず、4分のOFの末#16今林がカムを決めて先制した。しかし続くFOで相手FOerに拾われると、GB直後のスペースに入り込まれあっさり同点とされてしまう。その後は東大のOFが続き、当たりの激しいDFから2メンダウンのEMOまで得るも、決めきることができずに折り返しとなった。
 後半も東大のOFから始まった。が、MFがDFに阻まれ、なかなかシュートを打つことができない。ようやくクリースに入るもシュートは相手Gにはじかれ、チェイスまで取られてしまう。初めて相手にクリアを許したが、#40石山のパスカットによりそのOFはあっけなく終わることになる。そしてクリアから崩れたDFの隙をつき、#16今林が再びカムを決める。2-1、勝ち越しとなった。その後の農大OFをしのいだ東大は速いクリアからのBreakOFを仕掛け、#5西尾のシュートがゴールネットを揺らす。しかし直前に犯したオフサイドにより、得点は無効となってしまった。次いで得たOFの機会もストーリングで失いそこからはNTの激しい攻防となるが、最後のGBも制してなんとかOFコートで試合終了とすることができた。1点差を守り切った東大は準決勝、早稲田戦へと駒を進めた。


準決勝 vs早稲田大学

 1Q  2Q  延長(EMO)  TOTAL
東京大学 /away   2   1     ●●   3
早稲田大学/home   1   2  ●○   4

得点者:
#16 今林 淳 [AT] 2
#33 頓所 史章 [AT] 1

 迎えた準決勝、相手は新人戦サマーの時同じく準決勝で負けた早稲田大学。チームの士気は最高潮に達していた。いま、一矢報いる時である。
 1Q、早稲田のOFから始まるも、#14G鈴木のセーブから#44LG深谷にロングパスが通り、そのまま走って東大のOFに繋げた。ささいなミスで一時ボールはDFコートに戻るが、東大LG陣がすかさずカバー、再び#51MF原賀がOFコートへボールを運ぶ。そして1Q開始3分、DFのプッシュを受けながらも#16AT今林がカムを決め、先制。さらに直後のFOで#39MF鈴木が勝ちきり、そのまま#34MF藤野からゴール横にパスが通り、#16今林再びの得点。スコアを2-0とし、東大が2点先取する。その後も#22大川のFOから東大のOFが続き、ボールマンに常に2枚のDFがつく程の強い早稲田のDFプレッシャーを受けながらも東大はボールをキープ、#33AT頓所がゴール前でシュートを打つが惜しくも枠外。ここで相手のスラッシングにより東大はフリーシュートの機会を得るが決めきることができず、早稲田のOFが始まる。しかし、#14鈴木のファインセーブと相手のミスも相まって再び東大のOF。1Q開始8分、早稲田の2回のフラグダウンでDFが2枚少ない状況でのフリーシュートのチャンスを得たが、またも決めきることができない。1Q終了間際に相手にシュートを決められ、スコアを2-1として試合を折り返した。
 降りしきる雨はいつの間にか止んでいた。この時チームの誰もが、「絶対に勝つ」と強い気持ちを持っていた。しかし同時に、このまま逃げ切りたいという思いを心のどこかで感じていたように思う。そのわずかに引いた気持ちが、後半の命運を分けたのだろうか。
 2Qは両者一歩も譲らない攻防戦が続いた。そんな中、最初に切り込んだのは#33頓所。2Qラスト6分、頓所の左からのカムが決まり、スコアを3-1とする。その後早稲田のOFが続くが、鋭いシュートを止めたのはまたしても#14鈴木。ラスト4分。#12LG室伏のランクリアから再び東大が攻める。しかしこれで終わらせないのが強豪早稲田。東大のミスが重なり、OF機会を活かしきれないままボールは早稲田へと渡り、ランシューを決められてスコア3-2。ラスト3分。互いにシュートを決められないまま、ボールが両サイドを行き交う。ラスト1分。ここで東大のクリア時ロングパスが通らずターンオーバー、DFの崩れたところへ相手のランシューが決まり、スコア3-3。ラスト30秒。最後のFOからの攻撃を決めることができず、勝負は延長戦へもつれ込んだ。
 延長戦はボールダウンすれば即終わりのフリーシュート。先攻は東大。ささいなミスでボールダウン、全く攻めることができず終わってしまう。しかし続く早稲田の攻撃を、チームの全ての期待を背負って守護神#14鈴木が止める。あと1点。全員の思いが注がれた2回目の東大の攻撃も、虚しくもパスミスでのボールダウンで終わった。最後の最後で、緊張の糸が切れてしまった。これが早稲田の強たる精神力なのか、最後の瞬間、早稲田の振りかぶったシュートがゴールへと刺さった。最終スコア3-4。またしても早稲田に勝つことができなかった。言葉で表しきれない悔しさがこみ上げる。しかし直後に3位決定戦が控えていた。泣くのはその後だと、選手は再びフィールドに向かった。(記事:臼井杏美)




三位決定戦 vs法政・成蹊

 1Q  2Q  TOTAL
東京大学 /away   1   2   3
法政・成蹊/home   0   1   1

得点者:
#16 今林 淳 [AT] 1
#33 頓所 史章 [AT] 1
#69 都外川 識志 [MF] 1

 準決勝から数分後の三位決定戦。東大は気持ちの整理もつかないまま臨むこととなった。開始早々法政のOFとなり、東大はクリアを成功させることができずに防戦となる。しかしこれを気合のDFとG#14鈴木のセーブで防ぎ切ると、ボールを受け取った#33頓所がするするとクリースへ入り込み落ち着いて決めきる。東大の先制となった。前半はこのまま双方の落ち着いたOFが続き、1点リードのまま終わった。  前半の相手のスラッシングにより、後半はEMOから始まった。ここでのシュートは防がれ、ボールを奪われては奪い返す繰り返しとなった。この繰り返しは、相手のクリアからのBreakによって、法政のスコアという形で終わりを迎える。追いつかれた東大は#22大川のFOからOF機会をつかみ、#69都外川のランシューで相手を突き放す。流れに乗った東大は、終了1分前に#16今林が3点目を落ち着いて決めきり、最後の相手OFも守り切った。





Impressive Players of the match

MVP
#33 頓所史章(Humiaki Tonsho/2年AT)

あすなろコーチの沢田です。
頓所はあすなろ二日間で最も、自分がゴールを取ってチームを勝たせる、という気持ちが伝わってきたのでMVPに選びました。

普段頓所は二年生ながらAチームに所属していて、下級生らしからぬ落ち着きと安定したプレーが持ち味ですが、あすなろではゴールに貪欲に向い、ゴールを奪っていました。
残念ながら、あすなろでは早稲田に敗れ、三位という結果に終わりましたが、頓所はこれからも成長し、リーグ戦でもあれだけの気迫を持って活躍してくれる選手になってくれると思います。
これからの頓所の成長と活躍にご期待ください。




VP
#14 鈴木貴大(Takahiro Suzuki/2年G)

あすなろコーチの松下です。今回はVPにGの鈴木を選びました。

鈴木は練習中から厳しい声を出し仲間に求め続け、チームを引っ張っていく役割を自ら果たしてくれていました。
試合中は最後の砦として他大の前に立ちはだかり、数々のピンチから東大を救ってくれました。
目標を優勝と掲げた以上、今回の結果に満足することは出来ませんし、私があすなろコーチとして関われた時間もごく僅かでしたが、今回の大会は鈴木の今後の可能性を感じられるものになったと思います。
周りに高い水準を求めつつ、自分にはそれ以上のものを求める。このような在り方は時に孤独を伴うものですが、鈴木にはそうあり続けて欲しいと思います。




written by Ami Usui & Masahito Uwamichi