1Q | 2Q | 3Q | 4Q | TOTAL | |
東京大学 / AWAY | 2 | 2 | 2 | 2 | 8 |
慶應義塾大学 / HOME | 1 | 3 | 3 | 4 | 11 |
得点者: #15 平野 崇 [AT] 2 #26 出戸 康貴 [AT] 3 #38 木村 友哉 [MF] 1 #48 荻野 仁視 [MF] 1 #90 羽生 敦 [MF] 1 |
《試合概要》
今年、脅威的な強さを見せてきた慶應義塾大学。彼らに勝つためには、リーグ戦を終えてからもなお一回りも二回りも成長する必要があった。そしてFINAL4までの約一か月を経て、BlueBulletsは確かに進化を遂げた。前半では東大がリードし、試合時間の多くも優勢にあった。
しかし3Qからの慶應の追い上げが、4Qでは圧倒的な反撃となって襲い掛かった。昨年一昨年と夢見てきた栄光は、今年も我々の手から零れていった。
11月3日、少し肌寒い空気が、今年もこの季節がやってきたのだと着実な前進を感じさせた。
スターティングメンバーが、グラウンド中央に3年FOer#31舟橋を残して各ポジションに散った。舟橋が相手FOerと向かい合い、ボールを挟んでクロスを合わせる。その一点に全てが集中し、次の瞬間には激しいボールの奪い合いになっていた。戦いの火蓋は切って落とされた。
先制点は逃したものの、すぐに3年AT#26出戸が得点。その後流れを奪い返し、6on4のチャンスなども訪れたが、少ない人数でも慶應DFの鉄壁ぶりは変わらない。1Qも終了が近づいたころ、3年MF#90羽生が1on1をかけ、左横からの狙い撃ちが決まった。2-1のリードで、幸先は頗る良かった。
1点リードで始まった2Qも、4年MF#48荻野がクリースで振りかぶって華麗なショットを決め、開始一分のうちに2点リードに引き上げた。しかし慶應も反撃に出る。MDD中、更に解除直後にもDFの崩れを見抜かれ、同点に追いつかれた。このまま相手の優勢を許しているわけにはいかない。一度リードされてしまえば、試合丸ごと持っていかれかねないからだ。
そんな時、#26出戸が魅せてくれた。慶應のクリアをつぶすと自らボールを拾い、パスと見せかけてキープしたまま正面に走り込む。堅いDFが僅かに乱れ、彼が叩き込んだボールは激しくゴールネットを揺らした。流れは譲らないという執念のスコア。しかしその後、前半終了間際に失点し、同点で前半を終えることになる。
後半は幸先の良いスタートを切った。4年副将AT#15平野、更に3年MF#38木村のスコアで、再び2点差に持ち込む。
ところが、一見優勢のようでも、この頃から少しずつ暗雲が立ち込めてきていた。失点しては取り返す、という展開が崩れつつあったのだ。
慶應OFに危機感を煽られ緊張状態が続くと、相手の不意のクールに対して隙を見せてしまった。左上に浮いた慶應MFが思いきりスタンディングシュートを放ち、ボールはDFの隙間をすり抜けてゴールに収まった。
とにかくスピードの速い試合であったが、激しいクリアとライドの応酬は選手たちを消耗させたに違いない。そしてここまで保ってきた一線が次第に壊れ始めた。MDD中、クリース近くの選手が盲点となり、そこにパスが渡ったことに気づいた時にはすでに遅かった。この悔やんでも悔やみきれない失点で6-6の同点。そのまま立て続けに正面からシュートを決められ、ついにリードを許してしまう。
4Qに入って直ぐに失点し、更に苦しい状況に陥った。慶應の攻撃は当に止むことがない。今や一点一点がとてつもない重みを持って襲ってくる。4年主将G#28浦山は、最後の砦として奮闘を見せる。
そんな時、再び#26出戸がトリッキーなプレーを仕掛けた。ゴール正面の#48荻野にパス、と皆が思った。実は右上の#15平野を見ていたLGが荻野に飛んできたことに気づいた出戸は、平野にパスを出していた。身軽になった平野はすかさずショットスコア。この見事な連携プレーに、東大は活気を取り戻した。
ただやはり、慶應の得点力は東大を凌いでいた。慶應AT#9田中選手のシュートを阻めずに再び2点差に戻され、更にはライドからのブレイクで3点差を叩き付けられた。
それでも諦めるにはまだまだ早すぎる。出戸が右横からジャンプしてきて、ゴール前で横なりに倒れた。外れたシュートをしっかりキャッチして、ゴールに押し込んだのだ。
ラスト2分で2点ビハインド。不可能ではない。脳裏に浮かぶ逆転の光景。
しかしラスト1分で得点したのは、東大ではなかった。その時とうとう取り戻すことが難しいところに追いやられていた。ポゼッションは、最後まで慶應にとられたままだった。この息苦しさが敗北なのだと、噛み締める時間はもはや長くはなく、まるで悟すようにホイッスルが鳴り響いた。
「学生日本一」その高みを目指し戦ってきたBlueBullets。また一つシーズンを終えて、自分たちの手には、未だ何もないことに気付く。
12Blue Bulletsは燃え尽きて、跡には言葉にできないほどの様々な思いが残された。
この思いを与えてくれた存在に、最高の喜びで報いよう。
恐れてはいられない。勝つために、超えるために、変わらなければならない。
13BlueBulletsは生まれ変わろうとして、蠢き始めた。
《試合経過》
1Q
東京大学 | スコア | 慶應義塾大学 |
- | 0-1 | 2分 スコア |
EMO60sec. 9分 #26 出戸 スコア |
1-1 |
8分 イリーガルボディチェック - |
EMO30sec.(6on4> EMO30sec.(6on5) |
- | 11分 オフサイド アンネセサリーラフネス |
- | - | 15分 タイムアウト |
18分 タイムアウト | - | - |
19分 #90 羽生 スコア | 2-1 | - |
2Q
東京大学 | スコア | 慶應義塾大学 |
1分 #48 荻野 スコア | 3-1 | - |
5分 ファウル |
3-2 |
EMO30sec. 6分 スコア |
EMO30sec. | - | 9分 クリースバイオレーション |
13分 ホールディング | - | EMO30sec. |
- | 3-3 | 14分 スコア |
EMO30sec. | - | 16分 オフサイド |
17分 #26 出戸 スコア | 4-3 | - |
- | - | 18分 タイムアウト |
- | 4-4 | 19分 スコア |
前半終了。 | ||
クロスチェック |
3Q
東京大学 | スコア | 慶應義塾大学 |
2分 #15 平野 スコア | 5-4 | - |
6分 #38 木村 スコア | 6-4 | - |
- | 6-5 | 9分 スコア |
14分 スラッシング |
6-6 |
EMO60sec. 15分 スコア |
- | 6-7 | 16分 スコア |
4Q
東京大学 | スコア | 慶應義塾大学 |
- | 6-8 | 30秒 スコア |
EMO30sec. | - | 2分 ホールディング |
3分 クロスチェッキング | - | EMO60sec. |
7分 タイムアウト | - | - |
EMO30sec. 8分 #15 平野 スコア |
7-8 |
8分 ホールディング |
- | 7-9 | 13分 スコア |
- | 7-10 | 15分 スコア |
18分 #26 出戸 スコア | 8-10 | - |
- | - | 18分 タイムアウト |
- | 8-11 | 19分 スコア |
19分 アンスポーツマンライクコンダクト | - | EMO3min. |