「リーグ戦が始まった」
今年僕たち東大は、
「備える」「尽くす」「遂げる」
という3つのキーワードをチームスタイルとして掲げている。
最初はこのキーワードの運用に戸惑ったが、
僕は今このチームスタイルに誇りを持っているし、とても好きだ。
僕がチームとしてやりたかったことはまさにこれなんだなあ、と思う。
「備える」:やることを明確にし、全員でそれを共有する。常に目標を見据え、そのためにできることを考える。
「尽くす」:いつ何時も今に集中し、パフォーマンスを出し続ける。やってきたことを出す。練習でも試合でも、持つ力を最大限出し切ることに重きを置く。
「遂げる」:上の二つをやりきることで、結果的に勝利がついてくる。「勝とう」ではなく、「やりきろう」。
(夏合宿配布の資料より)
僕が2年生のころ、練習でも試合でも、ミスばかりをして、理想とかけ離れた自分に悩んでいた時期がある。
ミスをするのが怖くて、試合に出るのも怖かった。
そんなとき、メンタルトレーニングの先生にかけられた一言。
「お前はそんなもんだ。
そしてお前がその程度なことは、チームメイトもコーチもよく知ってる。
お前のミスも、緊張も、すべて想定内なんだぞ。
それでも勝つためにお前を使うのはなぜか考えてみろ。」
少しの悔しさと、すがすがしさを感じた。
こんなはずじゃない、おれはもっとできるはず、と逃げていた自分からの脱却。
足りないものを悔しがるのではなく、
今まで積み重ねてきたものに自信を持って挑もう、
すべて出し切ろう、
そう思った。
たぶん、試合は戦う前から結果が決まっているのだ。
強いほうが勝ち、弱いほうが負ける。
僕たちにできるのは、それまでの準備と、出し切ること、それだけ。
2009年度も、ついにリーグ戦が始まった。
これからひとつも負けられない試合が続く。
あとどれだけ積み重ねることができるだろう。
1つ1つの試合に、
学生決勝までに、
全日本選手権決勝までに。
本当はもっとおれらは強いはず、
こんな相手に負けるはずがない、
そうやって空虚の自信にすがりつくのではなく、
ひとつのシュート、ひとつのGB、ひとつのパス、
ひとつのトレーニング、ひとつのMTG、
全員で支えあって走ってきたその足跡を、
誰にも気づかれずに一人ひとりが積み重ねた小さな努力を、
1日1日、一歩ずつ、着実に歩んできたその軌跡を信じて、
戦いの舞台に立とう。
全てを懸けて挑む。
9月1日