カートアングル復帰記念コラム



自分は将来エンターテイナーになりたいと思っている。
別に、芸人になりたいわけではない。あくまでエンターテイナーだ。
他人が笑っている、喜んでいるのが大好きだ。
常にネタを探しているわけではないし、ネタを考えているわけでもない。
だが、面白いこと、楽しいこと、新しいことを見つけて話すのは大好きだ。

自分はプロレスが好きだ。
小学校3年のころからテレビで観戦を始め、10年になる。
新日本プロレスを贔屓にしていたが、ここ数年は専らアメリカンプロレス、WWEである。
WWEとは、World Wrestring Entertainmentの略である。
自称「アメリカ最高のエンターテイメント」であるWWE。
毎週ドラマのようにストーリーが展開し、月一回の特別番組がストーリー決着の大舞台となる。
ストーリーも多種多様で、裏切に次ぐ裏切り、男女問題も離婚結婚まで突っ込んでいたり その舞台もリング上だけではとどまらず、控え室や駐車場にまでカメラは潜入している。
初めて観たとき 出来すぎたストーリーの下に試合を行うレスラーは、ドラマの中の二流役者のように滑稽に映り 茶番さながらの試合展開には嫌気がさした。
しかし、WWEは面白い。何故か。
それは、彼らの行う試合が本当にエキサイティングだからだ。
一つ一つの技は力強く、美しく、観客を魅了するに十分であり、 試合にかける情熱までも伝わってくる。
プロレス技術あってのストーリー。
ドラマのようだとは言っても、あくまで試合を引き立たせるためのものであり どんなストーリー展開であろうと、今までのそれは前菜に過ぎなかったとでも言うように レスラーは大技を次々と披露し、観客はみなおなか一杯大満足。
一流の技術あってのエンターテイメントだ。


自分は以前、得点後のシーンを想像してはどんなポーズをするか考えていた。
どんなガッツポーズがかっこいいのか、どんな一発芸がうけるのか。
しかし、気づく。
どんなガッツポーズよりも、どんなコマネチよりも、モランボンよりも。
一流のステージで、一流の技術によって観客の目を惹きつけてから
その後のショートストーリーはより一段と生きてくる。


自分は今日も、明日も、明後日も
相棒であるチームメイトに、突っ込み(チェック)を入れる練習をする。
最高のエンターテイナーとなるために。